自分の考えも培った技術も、抱え込まない 仲間と共有することで成長していく

「KKD メソッド」という独自の治療方法を確立し、人財育成に力を入れている健康堂グループ。なぜ人を育てることにこだわったのか、独自のメソッドを築き上げるまでにはどんな苦労があったのか。グループの人財採用や育成を担う鈴木建造氏に話を聞きました。

株式会社健康堂 S メイツ 代表取締役社長 鈴木建造氏

はじまりは、一冊の大学ノート

健康堂を特徴づける独自の施術理論マニュアル「KKD メソッド」。それは、一冊の大学ノートから始まった。およそ 20 年前、「技術は盗め」と言われていたこの業界において、新人に技術を教えてくれる先輩は稀有な存在だった。しかし、健康堂の創業者である鈴木氏の兄は、そんな状況に疑問を抱いていた。「自分のできることを、 A 先生も B 先生も C 先生も、みんなができるようになれば、もっと多くの患者さんのお役に立てるはずだ。せっかくの技術や経験を一人で抱え込んでいるなんてもったいない」。そう考えた創業者は、未経験の新人でも分かるように、教えるのが苦手な先輩でも後輩に教えやすいように、持てる知識や技術を一つひとつ言語化し大学ノートに書き出していった。当時、高校生でアルバイトとして受付を手伝っていた鈴木氏も、マニュアル化を手伝った。受付の仕方に始まり、問診編、施術編、鍼灸編…とノートは次第に増えていった。そしてそれは、現在の体系立てられたメソッドにつながり、今でも毎年新しい技術を追加したり、画像を入れて分かりやすくしたりといった進化を続けている。

鈴木氏
「専門学校で教わるのは、解剖学とか生理学などの知識なんですよね。国家資格を取るためには学問としての知識も必要ですが、実際に患者さんの治療にあたるには知識だけでは足りないんです。学校で学んだ知識をベースに、いつも患者さんを診ている先生が豊富な経験の中で培った、使える技術を伝授していくこと。見て盗めというのではなく、マニュアルや研修で等しくみんなに教えていくこと。それが人を育て、組織として成長していくために不可欠だと、兄は気付いていたんだと思います」

自身の成長を実感できる キャリアアップ制度

東京・神奈川で 32 院へと院数が増えた現在では、各院で先輩が教えるだけでなく、会社の教育部門主導のキャリア別集合研修も行い、院によって技術レベルの差が出ないような工夫も凝らされている。業界では珍しいキャリアアップ制度が確立されており、スタッフ、チーフ、主任、副院長、院長、エリアマネージャー、グループ院オーナーと試験を受けながらステップアップしていける仕組みだ。ステップアップしたステージで必要となる施術の技術やマネジメント手法を集合研修で学ぶことができるため、全員が等しく成長の機会を得ることができる。

鈴木氏
「ベテランの優秀な先生たちに囲まれていると、ついつい比較して自分はいつまでたってもできないと思い込みモチベーションが下がってしまうことがあります。でも、ひとつずつキャリアの階段を上り、評価も給与も上がっていけばそれを目標に頑張れる。日々自分自身の成長を感じられるんです。年 2 回行っている納会での表彰も、成長の目標にしてほしいと思って行っています。新人王や初診率王など細かくデータをとって個人や院の頑張りを表彰します。同僚からはまだ頼りないと思われていたスタッフが、実は患者さんからとても評価されていることがデータで証明されたり、意外な発見もあって向上心を刺激するのに一役買っていると思います。

それと、キャリアアップについては、全員が全員、院長になりたいと思っているわけではないので、スペシャリストコースというコースも作りました。マネジメントは苦手だけれど、技術を磨いて患者さんのためになりたいという人向けのコースで、集合研修で教鞭を取る講師を最終目標に、スペシャリストとして技術を磨いていってもらいます。技術は会社の資産として貯まり、後輩たちに受け継がれていくもの。院長としてマネジメント力を発揮する人と同じように技術のスペシャリストも大切な人財だと考えています」

屋号も内外装も自由 愛着がわくからやる気が出る

こうしてスタッフ一人ひとりを大切に、モチベーションを高める育成制度や評価制度を整えている健康堂だが、新しい院を開く際にも特徴的な取り組みを行っている。なんとフランチャイズにもかかわらず、内外装もスタッフのユニフォームも、料金体系までも院長やエリアマネージャーの裁量に任せて自由に決めさせているのだ。患者の年齢層や性別の割合、街の雰囲気、競合店の状況など地域の特性を考慮して、新しい院で働くスタッフみんなで意見を出し合いながら、自分たちの院をどのように創り上げていくかを一から決めていくという。

鈴木氏
「壁紙どうする?看板どうしよう?ユニフォームはあの医療ドラマみたいな白衣がいいな…など、さながら文化祭準備のような雰囲気です。ここ数年は、屋号も自由に決めてもらっていて、「健康堂整骨院」でなくてもいいことにしました。「ナイン整骨院」とか「ポルクス整骨院」とか色々な屋号があり、それぞれに院長の想いが込められています。自分たちで名前をつけ、内外装やユニフォームなども自分たちがやりたいことを形にしたことで愛着がわきやる気が出ると好評です。施術のコースも一律ではなく、医療鍼灸がある院もあれば、トレーニングルームを作ってアスリート向けのトレーニングのコースを設けている院もあります。患者さんにとってリスクがなく価値があるサービスかどうかを会社として精査はしますが、先生たちが自分の持っている経験や技術を基に、「こんなことをやりたい」という希望があれば、できる限り実現できるように後押ししています」

当たって障る仲間と共に

前述した教育部門でのキャリアアップ研修についても、スタッフからの「こんなことを学びたい」という要望を吸い上げている。骨盤の骨格調整、トリガーポイント鍼治療、トレーナートレーニングなど、要望の上がった分野を専門的に教えられる講師を探し、講義の種類は毎年変化・増加を続けている。このようにスタッフ一人ひとりの意見を大切にする健康堂の姿勢は、会社が掲げる組織ビジョンにも表れている。「当たって障る仲間と共に、目標に向かい本気で楽しむ」というビジョンだが、「当たって障る」とは聞きなれない言葉だ。いったいどんな想いが込められているのだろうか。

鈴木氏
「「当たって障る」とは「当たり障りない」の逆なんです。スタッフ同士が本当の仲間になるために、人間関係の距離感を無くしていこうという趣旨でつくった言葉です。「患者さんを治したい、患者さんの役に立ちたい」という同じ目標に向かっているなら、当たって障ってちょっと喧嘩するくらいがちょうどいい。表面上だけで当たり障りのないことを言っていても、仲間にはなれません。年齢や経験などに関係なく、自分の思っていることを本気で言い合い、全力でぶつかるからこそ、本当の仲間になれるんです。

たとえばカンファレンスで、腰痛のある患者さんを治療するために、院長が「股関節に原因があるのでは」と言ったとします。それは一つの考えではありますが、それだけが正解ではありません。新人のスタッフが「外反母趾が影響しているのでは」と思えば、どんどん発言していいですし、誰の発言であれしっかり耳を傾けて、患者さんのために最善の治療法を探るのが健康堂のやり方なんです」

鈴木氏には、「当たって障る仲間」の原体験がある。まだ 20 歳過ぎでこの道に入ったばかりだった頃、夜な夜な先輩たちとともに院内で施術の練習を重ねたのだという。仕事が終わって飲みに行き、将来の夢や施術に関する考えを熱く語り合っているうちに終電を逃す。仕方なく院に戻ってくるのだが、そこで眠るのではなく、朝方まで「ああでもないこうでもない。これはどうだ?こういうやり方もある」などと言いながら一緒に施術の練習をしたのだという。

鈴木氏
「今思うと、労働環境としてはどうかと思いますが、当時はそれが楽しくて仕方なかったですね。仕事をして、飲みに行って、練習して、朝サウナに行って、また仕事したり学校に行ったり。ほとんど先輩たちと一緒に院内に住んでいるような状態で、当たり障りありまくりでしたね。でも、そのおかげで技術は相当に磨かれましたし、仲間としての絆も深まりました。もちろん、今の若い世代にこんなことを強要するつもりはなく、昔とは違う色んな考え方のスタッフがいる中で、制度を整えたり社員旅行などのイベントを行うことによって、みんなが当たって障って意見を言いやすい環境を実現するようにしています」

健康のさらに上、元気を提供する企業へ

スタッフ一丸となって新しいことへの挑戦を続ける健康堂が、今後はどのようなことに挑戦しようと考えているのか。鈴木氏に尋ねると、トレーニング部門の設立という答えが返ってきた。既に一部の院ではトレーニングスペースを設けてサービスとして提供しているが、会社として部門を設立し、アスリートのニーズに対応できるようにトレーナートレーニングや救急対応などの教育を強化していくという。

鈴木氏
「これは「元気産業を代表する企業になる」という事業ビジョンにも関係してきます。私の中で健康と元気というのは別モノで、健康は日常生活をスムーズに送れること。肩が痛いな、腰が痛いな、手がしびれるな、頭痛がするなといった不調を感じずに仕事や家事などの日常生活ができることを言います。元気はその一段上にあって、スポーツも含めてやりたいことを思う存分やって、常に上を目指し続けられるような状態を言います。今は患者さんたちの健康をサポートするのが事業のメインですが、トレーニング部門を設立することで「元気って言ったら健康堂だよね。元気になりたかったら健康堂に行ったらいいよね」と言ってもらえるような存在になっていきたいですね」

鈴木氏は若い頃、創業者である兄から「日本には心技体という言葉があるが、健康堂は体技心だ」とよく言われていたという。まずは行動し、動くことで技術を高め、それから心を磨く。この積み重ねが鈴木氏を、健康堂を成長させてきた。とりあえずやってみる。失敗しても仲間が守る。一度失敗したことは、二度と失敗しないようにマニュアルに盛り込み、仲間にも共有していく。その行動の中で技術と心が磨かれてきた。トレーニング部門という挑戦も、既に考えるより先に動き出している。健康だけで満足せず、その先の元気を目指す。健康堂の挑戦に終わりはない。

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