整骨院を“開業”する前に知っておこう!必要な準備と5つの開業手順

柔道整復師は独立開業ができる職業でもあります。
そのため、雇われ柔道整復師として勤務しながら技術や経験を積み「開業」を目指す人も多くいらっしゃいます。しかし、開業するために必要な準備と手順がわからず、どういう風に進めていけばいいのか手探りな状態で始める方も少なくありません。

そこで、今回は柔道整復師の方に向けた開業前から確認すべき項目~開業に必要な準備や手順について解説していきます。少しでも開業を視野に入れている人に、是非ご一読して頂きたい記事となっております。

目次


開業を始める前に!

開業するためには、「柔道整復師国家資格の取得」と「施術管理者」としての要件を満たしている必要があります。柔道整復師として勤務していれば必ず国家資格は取得していますが、施術所管理者の要件は満たしていますか?

施術管理者について解説していきます。

そもそも、施術管理者とは?

施術管理者とは、整骨院や接骨院など柔道整復師が施術を行う場所において、勤務している柔道整復師全員の施術や受領委任に関する取扱い全般を管理することができる柔道整復師のことです。

施術管理者について知りたい方は、以下の記事をご一読ください。
▶︎参考:管理柔道整復師とは一体どんな仕事?担っている業務について解説!

施術管理者の要件

以前は柔道整復師の国家資格を取得したと同時に、独立開業ができる権利を与えられていましたが、平成30年4月より国家資格の取得に加えて、「3年間の実務経験」と「2日間の施術管理者研修の受講」が義務付けられるようになりました。

上記の要件を満たしていなかった場合でも“開業”することはできます。
じゃあ、別に要件を満たさなくていいんじゃない?」と思われる方もいらっしゃるかと思います。しかし、施術管理者でなければ受領委任払い制度を利用することができません。
受領委任払い制度が利用できなければ、患者様は窓口で保険負担分を含めた10割の金額を支払わなければいけません。もちろん、支払いが終わった後に加入している健康保険へ請求しなければいけず、患者様に大きな負担が掛かってしまいます。

患者様の負担が大きい施術所にリピーターとして通院する可能性は低いので、必ず施術管理者としての要件を満たすために研修を受講しましょう。

受領委任制度を利用するためには?

受領委任制度を利用するためには、受領委任届出手続きを行わなければいけません。
この手続きの際に従来必要だった届出書類に加え、「実務経験期間証明書の写し」と「施術管理者研修修了証の写し」が必要になります。

開業までの5つの手順

開業を成功させるためにも、どのような手順があるのか把握しておく必要があります。
何も知らない状態で進めても、上手く進めることはできません。どんな施術所を開業したいのかを考え、スケジュールを組み事前準備をしっかり行いましょう。
準備期間として、1年~6ヶ月程度の期間で行動することをオススメします。
スケジュールを組まず行動してしまうと、途中で計画が押してしまったり、必要事項が漏れてしまうということに繋がりかねません。

では、実際に柔道整復師が開業を始めるために必要な5つの手順について解説していきます。

1.準備期間

まずは、どんな施術所を開業したいのかイメージを膨らませつつ、開業に必要な知識や資格を取得しましょう。信頼できる団体や医療機器メーカーが主催している開業セミナーへ参加し情報を集めたり、すでに開業している先輩や知り合いに成功談や失敗談を聞いておきましょう。

また、準備期間の段階で開業日を決めておくとよいでしょう。

1年~6ヶ月程度の期間から計画を練るため「まだまだ先だ」と余裕を持ちがちですが、漠然と構えているとあっという間に過ぎてしまいます。
そうならないためにも、開業日というゴールを決めてから準備に取り掛かりましょう。

2.事業計画

事業計画では、準備期間でイメージした理想の整骨院を明確にするためのコンセプトを立てます。ご自身がどんな施術所にしたいのか、具体例を紙などに書き出してみましょう。

参考具体例として以下のような項目が挙げられます。

  • 施術方針や目玉となる施術メニュー
  • 開業エリアや場所選び
  • どんな患者様を対象としたいのか
  • 院内の雰囲気や内装
  • スタッフの人数
  • 院の強みや弱みになりそうな箇所
  • 営業時間
  • ホームページやSNS
  • 院名 など

上記の項目で挙げた院名ですが、よくある院名は避けましょう。

今や施術所の数はコンビニの約2倍ほどあるといわれています。そのため、よくある院名だと何件も検索に引っかかってしまう恐れがあり、競合店に埋もれてしまう可能性が考えられます。

3.資金計画

資金計画では、事業計画で組み立てたことを実行に移すために、
工事費や医療機器、家賃、人件費など整骨院を開業するにあたって必要な費用を大まかに計算し、資金の大枠を決めましょう。資金の大枠が決まれば、次にどのように資金を調達していくかが重要になります。
一般的に施術所の開業費用の平均は数百万円~1,000万円前後が必要だといわれています。
また、運転資金として約5ヶ月分程度余裕を持っておくことが必要です。
調達方法として、自己資金や日本政策金融公庫、銀行・信用金庫、親族からの援助があります。
自己資金でまかなえるに越したことはありませんが、中々難しいのが現実です。そのため、借り入れる時の審査内容や金利から「日本政策金融公庫」を選ぶ人が多くいらっしゃいます。

それぞれの特徴や条件、必要書類などをみていきましょう。

日本政策金融公庫

  • 特徴  :金利が安く、長期期間の返済が可能
  • 必要書類:創業計画書:見積書
  • 条件  :同業経験5年以上。自己資金が借り入れの1/2または1/3必要。

銀行・信用金庫

  • 特徴  :実績があれば高額融資も可能。
  • 必要書類:事業計画書・見積書
  • 条件  :保証協会をつけることが多い。融資内容の領収書が必要。

親族からの援助

  • 特徴  :一定額を超えると贈与税の対象になる。借入時の自己資金に充当する場合、注意が必要。
  • 必要書類:特になし。
  • 条件  :特になし。

医療機器のリース

医療機器に関しては、リースで借りることで資金を抑えるケースが多くみられます。

  • 特徴  :審査が
  • 必要書類:特になし。
  • 条件  :保証人が必要。

4.開業前準備期間

開業前準備期間では、保険請求を行うための手続きや開業手続き、広告宣伝、スタッフの教育など
実際の開業に向けた動きをしていきます。

この段階は、開業に向けた追い込み期間として考えるといいでしょう。

5.開業

上記4つの手順が終われば、いよいよ開業です。
開業をゴールとするのではなくスタートだと思い、患者様に満足していただけるように勤めていきましょう。開業後は院長という肩書きになります。そのため、自分自身のことだけでなくスタッフ一同の接客態度や技術・経営力の向上を意識しながら対応していかなければいけません。

開業するために必要な5つの届出

整骨院を開業するには、さまざまな手続きを行わなければいけません。
必ず手続きしなければいけない5つの届出について解説していきます。

  • 施術所開設届
  • 受領委任取扱いに係る申出
  • 各種共済番号の取得
  • 労災保険指定医療機関への届出
  • 税務署への届出

せっかく開業までスムーズに進められているのに、手続きや必要な書類がわからず手間取ってしまうと時間のロスになります。開業の手順と共に、この見出しにも目を通していただき進めていただければと思います。

施術所開設届

施術所開設届には、以下の書類が必要です。

  • 施術所開設届
  • 柔道整復師の原本と写し
  • 施術所の平面図
  • 最寄駅からの案内地図
  • 本人確認ができる書類(法人の場合は定款(写し)と登記簿謄本)
  • 施術所が賃貸の場合は、賃貸契約書のコピー

施術所開設届は開設後10日以内に保健所に提出しなければいけません。
提出は必ず開設している状態でなければできないので注意が必要です。
また、保険請求を行うにも厚生局へ申請しなければいけず、その際にも施術所開設届のコピーが必要となります。申請しなければ、開業初日から保険請求ができない施術をしなくてはいけません。

保健所と厚生局への手続きも忘れず行いましょう。

受領委任取扱いに係る申出

受領委任を取り扱う場合、開設届を提出後に管轄の地方厚生局へ届出をします。受領委任取扱いの届出が受理された日から保険を取り扱えるようになるので、開業までに必ず行いましょう。

受領委任取扱いの届出には、以下の書類が必要です。

  • 確約書(様式第1号)
  • 柔道整復施術療養費の受領委任の取扱に係る届け出(様式第2号)
  • 実務経験期間証明書の写し
  • 施術管理者研修修了証の写し
  • 保健所開設届の写し(保健所の受理印のあるもの)
  • 施術所平面図
  • 施術所周辺図
  • 施術管理者の柔道整復師免許証の写し

各種共済番号の取得

契約記号番号で承諾された受領委任には共済組合は含まれておらず、共済組合にも受領委任の申し出を行い、「共済連名承諾番号」を取得しなければいけません。
また、地方公務員関係の保険社へは地方公務員共済組合協議会に申請を行います。自衛官関係の保険社に請求するには防衛相に申請を行い、防衛省番号を取得しなければいけません。

共済組合番号の取得には、以下の書類が必要です。

  • 受領委任の取り扱いに係る申出書(様式第1号)
  • 確約書(様式第2号)
  • 返信用封筒(84円切手貼付、120×235mm目安)
  • 柔道整復師免許証の写し

申請の締日は、毎月25日で翌月の1日に番号が付与されます。

労災保険指定医療機関への届出

労災保険を取り扱う場合、管轄する都道府県労働局に必要な書類を提出し、都道府県労働局長による指定を受ける必要があります。

労災保険指定医療機関への届出には、以下の書類が必要です。

  • 申出書(様式第1号)
  • 確約書
  • 指定・指名機関登録(変更)報告書
  • 保健所開設届(施術所の確認ができるもの)
  • 施術所の平面図
  • 施術所周辺図
  • 柔道整復師免許証の写し

税務署への届出

最後に忘れてはいけない届出が、税務署への申告です。
個人事業主として開業する場合、営業所がある地域の税務署に開業届を提出しなければいけません。1月~12月までの売り上げや所得税を計算し、翌年の3月15日までに覚醒申告を行いましょう。

まとめ

いかがでしたか。
整骨院を開業させるためには、さまざまな手続きや手順を計画的に踏んでいかなければいけません。開業を失敗させない方法は、事前準備と先を見通したスケジュールを計画できるかだと思います。今回の記事では、施術管理者の内容~開業の手順、必要書類についてまで解説しました。

開業を目指す柔道整復師の参考にしていただけると幸いです。

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